万葉公園からのお知らせ
第21回万葉短歌大会 入選作品のご紹介
2016-05-28
平成28年5月28日、第21回万葉短歌大会を行いました。
101首の応募作品の中から、見事入選されたものをご紹介いたします。（詠み人敬称略）
〇講師選（秋葉四郎先生）
１位
ほのぼのと明るき太陽のぼり来る我百歳になりたる朝（あした） 岩田アサオ
２位
いつせいに辛夷の花の咲き出でて心せはしく籾浸しをり 村上勝史
３位
春祭の音楽絶えまなくきこえテレビは熊本地震を報ず 楠川和子
入選
難聴のわれに聞こえぬ議事なれど人様なみに拍手して終ふ 栗栖絹江
陰膳にて征きたる夫を待ちをりし姉すこやかに白寿を迎ふ 奈良正義
春分の日の山に来て打ち落とす杉の枝より黄の花粉とぶ 山本喜久
五十余年培いし茶の木あまたなりすべて抜きゆく跡継ぎなくて 森脇幸子
あぢさゐの若葉に音のやはらかく朝の庭に日照雨降る 前田弥栄子
〇互選
１位
いつせいに辛夷の花の咲き出でて心せはしく籾浸しをり 村上勝史
２位
年ごとに放棄田ふえゆく山峡に老夫の守る早苗田ひかる 藤井幹雄
３位
学校も郵便局も閉じられし里の田の面に水満ちており 石橋由岐子
佳作
難聴のわれに聞こえぬ議事なれど人様なみに拍手して終ふ 栗栖絹江
役員の数より少なきＪＡの地区の集会しづかにをはる 小田裕侯
大根の面とりしつつラジオ聞く寒き雨の日のかかる安けさ 原田美枝
気にかかる一つの想い断ち切らん雪舞う畑を荒耕しする 西元静香
上弦の月は鋭く光りつつ夕べの家並に深き影おく 富永睦恵